普段、何気なく使っているお金。

「どうすればたくさんお金を稼げるのか」は、古来より語られてきました。ですが私が思うに、お金を語るとは人を語ることそのもの。それほどお金とは、奥深いテーマであります。
今回の記事では、初歩の初歩、「お金とは何か」について学んでゆきましょう。
お金の名前は?
さて、唐突かもしれませんが、一つ質問をさせてください。
Q.紙幣の公式名称はなんでしょう?

・・・・・・・・・・・分かりましたでしょうか?
では、答え合わせといきましょう。
A.紙幣の正式名称は「日本銀行券」です

どうでしたか?
私がこの問いから本当に伝えたいことは、お金の知識ではありません。というよりこの問いは、日本人であれば誰でも答えられます。
なぜなら一見、難しい問題のようにみえますが、とても簡単な問題だからです。
だって、紙幣を見るたびに見ているじゃないですか。
ほら、

書いてあるでしょう?
だから、この問いから確認したかったことは知識ではないんです。たった一つのことを伝えたかったから、問いとして出しました。
あなたはお金のことをちゃんと見ていますか?

人間は本当に不思議な生き物です。
恋人のことや家族のことは、ジィーと見つめて観察します。
「この人はこんな姿をしている。」
「この人はこんな性格だ。」
「この人はこんな過去があるらしい。」
ですが、お金となるとどうでしょう。紙幣がどんなデザインをしているか、なんて気に留めないことの方が多いのではありませんか。

この記事を書いている私も、お札のデザインなんてあんまり意識していません・・・。
だからこそ、思うのです。

人と仲良くしたいと願うとき、その人のことを知ろうとするでしょう。なら、お金と仲良くしたいなら、お金のことを知らなくてはなりません。
ちゃんと目の前にある、お金を見つめないといけない。そんな当たり前は、お金の話でも通用するのではないでしょうか。
どこからお金はやってくるのか
さて、紙幣のちゃんとした名前は知りましたね。次に、どこからお金ができるのかを考えましょう。お金は湧いてくるものではなく、当然作られるものですから。
Q.どこで紙幣や硬貨が作られていますか?

では、答えを見ましょう。
A.紙幣は「独立行政法人国立印刷局」、硬貨は「独立行政法人国立造幣局」にて作られています。

ちなみに紙幣を発行している工場は、東京、神奈川県、静岡県、滋賀県、岡山県にあります。また、硬貨を製造している工場は、大阪府、埼玉県、広島県にあります。

工場見学もやっているそうなので、行ってみたいです。勉強になりそうですし、単純に興味があるんですよね・・・。
ですが、「お金が作られる=お金として使える」わけではありません。「これはお金だ」と宣言しないと、お金ではないのです。
お金の姿をした器に、お金という役割を持たせないといけません。

では、クイズです。
Q.「これはお金だ」と宣言しているのは誰でしょう?

答えはこちらです。
Q.日本銀行が宣言しています。

ちなみにこれも、紙幣に書いてあるんですよ。
ほら、

日本銀行が発行しているから、日本銀行券という正式名称なのです。
誰がお金のことを決めるのか。
日本銀行って、日常会話ではまず聞かないと思います。ですが、とても重要な存在です。
日本銀行とは、簡単に言うとお金(円)のボスです。

なぜ、日本銀行はお金(円)のボスなのか。それは、「これはお金だ」と宣言できるからなんです。
どんなものでも宣言すればお金になります。
皆さん、お金は稼ぐものだと思っていませんか?
しかしその発想は、本当に効率的なお金の手に入れ方ではありません。せっかくなので、悪知恵さえあれば解けるクイズをやってみましょう。
Q.一番効率よく、お金を手に入れる方法はなんでしょう?

答えはこちらです。
A.お金を偽造すること
実行しないでくださいね。本当に偽造したら、警察に捕まりますよ。


(当ブログは犯罪をそそのかす目的で運営していません。そこのところ、悪しからず・・。)
ですが、効率だけを求めるのなら、偽造が一番ではあります。
だってお金はお金であって、それ自体に偽物も本物もありません。というかそこを突き詰めだしたら、印刷してる時点でオリジナルを真似ている偽物ですよ。

お金を真似たお金を作ったら、普通なら刑務所行きです。
ですが日本銀行は、「これが(本物の)お金だ」と言いながらフツーにお金を印刷します。日本銀行とは、一般人がやったら捕まることを日本で唯一許されている組織なのです。
そして唯一お金を作る組織だということは、お金のことを牛耳れる立場であります。だから、お金のボスなんですよ。

だから経済のニュースで、日銀(日本銀行の略)がよく登場するのです。
お金の価値は何で決まるのか
なら、お金に価値がある理由とはなんでしょう。
ここで一つ、算数を使ったクイズを通して考えてみませんか。
Q.2023年(令和5年)、30億3000万枚もの新紙幣が刷られました。この年の新紙幣の製造費は619億2509万円です。では、新紙幣一枚当たりの製造費は何円でしょうか?小数点第一まで求めましょう。

分かりましたか?
では、まず解説しますね。
まず一つあたりの製造費を求めたいので、割り算を活用します。
具体的には、「新紙幣の製造費÷新紙幣の枚数」を計算すれば求めることができます。
なので、答えはこうなります。
61,925,090,000÷3,030,000,000=20.4(円)

つまり、新紙幣の原価は約20円です。ちなみに今までの紙幣の原価は、約18円だったりします。
もし、本当にモノの価値をお金で計れるのならば、こんなに矛盾した話はありませんよ。
さあ、核心に迫るクイズに挑戦しましょう。
Q.なぜあなたはお金に価値があると思いますか?

A.お金を使うことで「価値あるモノを簡単に手に入れられるから」。

昔から人は、経済活動を続けてきました。
経済活動とはつまり、モノの交換です。モノを買って、モノを売ることです。買うにしても、売るにしても、モノに価値を見出すから交換が成り立ちます。

人が何かを買うときは、買うモノに価値を見つけています。
人が何かを売るときは、売るモノの価値を確信しているから売るのです。
モノの交換とは、価値の交換でもあります。

当たり前ですが、お金は道具です。モノと交換するための道具です。
何かと交換しなければ、ただの紙切れだったり金属にすぎません。ですが、交換に使うことで本領を発揮します。
お金をつかうことで、簡単に価値あるモノを欲しい人のところに運ぶことができます。これこそがお金の価値と言えるのではないでしょうか。
今回の学習まとめ
- 紙幣の正式名称は日本銀行券である
- お金であることを保証するのは日本銀行である
- お金に価値がある理由は「価値あるモノを簡単に手に入れられるから」から
お金とは、道具にすぎません。あまりに便利すぎるからこそ、使い方を誤れば人生を狂わせることもあります。
だからこそ、お金とはうまく付き合いたいものです。
参考書籍・参考にしたサイト

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『金融のしくみ しっかりわかる教科書 伊藤亮太』
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